· 

腸内細菌はひとの性格に影響を及ぼすか。

  以前に見たNHKの番組で、腸内細菌叢(腸内フローラ)がひとにすごく大きな影響を及ぼすと言っていました。性格にまで影響を及ぼすようなことを言っていて、とても驚いた記憶があります。少し調べてみました。

 

 ジョン F クライアン(John F. Cryan)教授という方の研究が目に留まりました。 英語の勉強もかねて、英文のWEB記事にトライてみました。まだまだつたない英語力で読んだので、正確に理解できているかどうかはわかりませんが、そのことをご理解の上、よろしければお読みくださいね。 

 

 クライアン教授は、アイルランド国立大学であるコーク・カレッジ大学の神経学者で、腸内細菌叢が脳に及ぼす影響について研究されています。 教授は、腸内細菌が脳と行動に与える影響を、イギリスのTVドラマ「ダウントン アビー」に例え、このように言っています。「ダウントン アビー」はお屋敷に住む貴族の一家と、その使用人たちの生活を描いたドラマです。)

 

”ひとつの家に住む ふたつのグループは,

いつもお互いを必要としているのですが、

下の階で起こる事が

上の階にどれほど大きな影響を持つかに気づくのは、

下の階で何かが起きた時だけなんです。”

 

 脳や行動と腸内フローラ(腸内細菌叢)には、大きな関係があるようです。

 

 さらに(学術的表現はちょっと難しかったのですが)、以下のようなことが書かれていました。

・研究で、特定のプロバイオティクス(乳酸産生菌)がGABAを放出するという結果が出た。

・研究結果は、バクテリアの化学分子が血液脳関門を通過できるのかもしれないという考えを支持。

・腸内微生物が感覚神経に強い影響を与え、大脳皮質を刺激して行動変化に影響を及ぼす可能性がある。

 

 ご自身は神経科学者ですが、胃腸科医、微生物学医、精神科医、生態学者、行動科学者などと一緒に、複数の症状が共存する患者さんに注目して、腸内フローラと症状との関係について研究をすすめたとのことです。

 

 教授たちは「サイコバイオティクス」という造語を作りました。腸内細菌に、憂うつなどの精神的な症状を静める効果がある、ということを説明することばです。

 

 腸内フローラには、脳、行動、精神状態を左右する大きな影響力があるんですね。

 

 私が読んだのは2015年の研究発表についての記事でしたので、現在はもっと研究が進んでいるのかもしれません。

 

参考資料

・https://nccih.nih.gov/research/blog/gut-microbiome-behavior

・http://www.wired.co.uk/article/john-f-cryan

(You can also watch the full lecture, “Towards Psychobiotics: The Microbiome as a Key Regulator of Brain and Behavior,” online.)

 

専門用語については詳しくありませんので

元の英単語を書いておきますね。

human microbiome 腸内細菌叢

the blood-brain barrier 血液脳関門 

microorganisms in the gut 腸内微生物

cerebral cortex 大脳皮質

co-morbid 依存症の、共存症の、合併症の